高齢者と老後。現役ヘルパーが考えたこと。

老後にお金がなくても・・・

お金への不安ってたくさんの方が抱えている問題だと思います。
特に高齢の方は職もなく、収入を増やすことはできません。
財産のある方は不安な要素は少ないかもしれませんが、
わずかな年金暮らしの方は本当に辛抱されている方がたくさんいらっしゃいますよね。

 

特にこれから先の人生、年金額も減少していき自分の老後はどうなっていくんだろう?
と考えている方も多いのではないのでしょうか?
もちろん、私もその一員です。

 

私の近所にスーパーおばあちゃんが住んでいます。
お年は80歳を過ぎた頃でしょうか。
近所でも人気者のそのおばあちゃん。
人気の秘訣は、笑顔と元気!!

 

近所を良くお散歩しているおばあちゃん。逢う人逢う人に笑顔でご挨拶。そして誰にでも話しかけています。
畑仕事も健在で、とれた野菜をみんなにおすそ分けして喜ぶ顔をみるのが楽しみ。
人が困っているとほっとけないタイプ。

 

そんなおばあちゃんと私も仲良くさせて頂いているのですが
ある日おばあちゃんが、よもぎ団子を作ったからお茶でも飲みにこないかとお誘いがあり伺いました。
一人暮らしのおばあちゃんは、とにかく人が大好きなんです。
おばあちゃんがテレビの国会中継を見ながら
「この役員共は、自分達でののしりあうことばかりして国民のことをもっと一緒に考えて良い方向にしてくれればいいのに。年金も安くて月3万で暮らす身にもなってみろ!」
と言ったのです。一瞬そのまま聞き流そうと思ったのですが興味本位で
「おばあちゃん、3万円で暮らしているの?」
「そうだよ」
「食費だけで?」
「いいや!全部よ!食費もガスも電気も水道も!病院にもいけないわ!まあ体は元気だからいいけどね。ま、元気してないと困るから気が張っているのかも」
と声高々に笑っているおばあちゃん。
確かに、思えばばあちゃんは何一つ贅沢していない。
洋服も破れたら自分で補正してきているし、袖が破れた服はベストにして、袖口は雑巾として使っていた。
食べるものも畑で取れた野菜を使ってたし、野菜のへたは新たに水栽培にしたり、皮は肥料にしていた。
普段は電気をつけていることも少なく、家のコンセント類はほとんど抜かれていた。
おばあちゃんは、確かに節約していたけどそれだけではなかった。

私がおじゃました1時間の間になんと3人もの訪問者があった。
皆、手土産かかえて。そしてすべてが近所の方。
「おばちゃん!この間は野菜をありがとう!天ぷら作ったから食べてね!」
「いつもありがとうね」
「おばあちゃん。魚をたくさん頂いたからどうぞ」
「ありがとうね。助かるわ」
「おばあちゃん、この間のおだんごおいしかったわ。今日炊き込みご飯をしたんだけど食べないね?」
「まあ!嬉しい!!ありがとうね〜」

 

お魚を入れようと冷蔵庫を開けたおばあちゃん。
びっくりしました。
冷蔵庫の中はたくさんの頂き物でいっぱい。

 

「近所の人がいつもこうやって尋ねて来てくれるから嬉しいよね」
とお茶を飲むおばあちゃん。

 

いつも近所の皆に温かい声をかけて、一緒に心配したり、泣いたり。
近所の皆のためにお野菜を畑で作り、新鮮なうちにおすそ分けに来る。
美味しいお団子やお料理を食べさせてくれる。

 

おばあちゃんの人柄が近所の需要となり供給へ繋がっている。

 

お金より大切なものが世の中にはいっぱいあります。

 


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