高齢者と老後。現役ヘルパーが考えたこと。

家族との関わり。老後と高齢者

高齢になると家族との関わりが非常にありがたいものになります。
自分で出来ていたことが少しずつ難しくなり、頼るべきところはまず家族だと思います。
なぜなら、家族はとても安心できる存在だからです。

 

Aさんは92歳女性。生活の殆どに介護が必要な状態で娘さんと同居していますが、娘さんもお仕事をされているのでヘルパーさんを利用しています。
娘さんが仕事に出かけるとき必ずベッドに横になっているお母様の耳元で
「お母さん、仕事に行ってくるよ。ヘルパーさん来てくれているから大丈夫だからね。いってきます」
とお母様の頬にキスをされます。
とても微笑ましい光景で、思わず
「Aさんは娘さんに愛されて幸せですね」
とお話したことがあります。
すると娘さんが話を聞かせてくださいました。
早くにご主人を亡くしたAさんは、弱音を吐くこともなく、いつも笑顔で私たち兄弟を立派に育ててくれた。
幼い私たちを養っていくことは本当に大変だったと思う。
いつも前向きに考えて何でもチャレンジする母。本当に感謝しているんです。

 

78歳女性のBさんはリウマチで手足が思うように動きません。
Bさんは息子さん家族と同居されていて、3世代で生活されています。
主な介護者はお嫁さんです。Bさんの楽しみは、体調の良いときにお嫁さんと買い物に行ったり、ランチに出かけることだそうです。
お孫さんも仕事の休みに病院受診に付き添ってくれるなど、会話を伺うとご家族のことばかり。本当に幸せそうな表情をされます。
お嫁さんにはね、一番感謝しているの。まず、うちの嫁になってくれたことに感謝しているの。
私はね、自分がお姑さんに厳しくされたから、お嫁さんは大切にしようと考えていたの。
娘もいるけど、今は娘よりお嫁さんの方が大切なのよ。娘は嫁いだんですからうちの人間ではないの。と笑って話されます。
いつも私は感謝の気持ちを忘れないようにしているの。
体がこんなになって一人では何もできないの。だから、私がこうして何不自由なく安心して暮らせることは家族のおかげ以外何でもない。
感謝ってね、心で思うだけじゃ駄目よ。
必ず言葉で伝えるの。「ありがとう」ってね。
人はね、嫌なこと言ってもなんの特にもならないのよ。
人間はね、一人で生きていることはありえないの、何かしら人の手を借りているものなのよ。
私はとっても幸せよ。体がもう少し言うこと聞いてくれたら、申し分ないけどね。

 

家族との関わりも十人十色。

 

家族を大切にされてきた方は、家族に大切にされます。

 

喜ぶことをたくさんしたら、その分嬉しいことが返ってきます。

 

感謝の気持ちを忘れない。
感謝の言葉をしっかり口に出して伝える。
人に嫌なこと言っても自分の得には何にもならない。

 

私もBさんのように年を重ね、家族に愛される自分でいたいと思います。

 


inserted by FC2 system